ビートルズ・ブートレッグ55年目の真実

                Reviews 13              Deccagone シングルから作られたコピー盤とSmilin' Ears

   1977年にDeccagoneのシングル・シリーズが発売され始めた後、当然のことながらコピー・ブートレッグは多数作られた。1978年春にはDeccagoneのシリーズを模倣したかのようなPYE recordsによるシングル・シリーズが発売された。

PYE Records

←写真上段と下段左 PYE1  

このシリーズの最初のタイトルである「THREE COOL CATS / HELLO LITTLE GIRL 」(PYE106)では白黒印刷ではあったが、ピクチャー・スリーブに入れて販売された。しかし、PYE206以降は簡易スリーブとなった

←写真下段 PYE2

後にRuthless Rhymess LTD.のレーベルでリプレスされた。PYE RecordsはWizardoグループによるものであったことがわかる。



←写真 PYE3/4/5

「SEPTEMBER IN THE RAIN / SHEIK OF ARABY 」(PYE206)ではDeccagoneのシリーズを意識したのか、レッド及びグリーン・カラーでもプレスされた。しかし、カラーでプレスされたのはこのタイトルだけだった。

↓写真 PYE6/7

「SERCHIN' / LIKE DREAMERS DO 」(PYE306) 「MEMPHIS / LOVE OF THE LOVED」(PYE406)ではブラック盤のみのプレスだった。以降PYEのシリーズは作られることはなかった。それはおそらく1978年中にWizardoグループは独自にデッカ・オーディション・テープを手に入れたからだと思われる。

参照→「デッカ・テープス(総論)」

←写真(1978年音楽専科の広告)Deccagoneのシングル・シリーズは1977年末には日本にも入ってきたが、1978年春になるとPYEのシングル・シリーズも販売されるようになった。

    写真 某ファン・クラブ会報→ Deccagoneシングルの方が「ひずんだ音で聞きにくい」などど評されている。当時はこれらシングル・レコードはレビューされることもあったが、詳細な情報は乏しかった。

Hello Little Girl/Three Cool Cats/Love Of The Loved/Memphis」(BEACON 508)

← 写真  BEAC1  BEAC2/3

 ビートルズ海賊盤事典(1985年)にはひとつの種類しか紹介されていない。実際、これらのブートレッグはあまり日本には入ってこなかったようである。やはりDeccagone最初の4枚からのコピー・ブートレッグ。最初のプレスは1978年で東海岸で製作された。 

               写真 →「Beatles'66(SE-7704)」「BeatlesTwickenham Jams(SE-7702)」

1978年のブートレッグ・マーケットではDeccagoneとSmilin'Earsのブートレッグが出回ったことが最大の特徴であろう。「Beatles'66(SE-7704)」や「Beatles / Twickenham Jams(SE-7702)」日本でも非常にポピュラーなタイトルであった。

           ↑ 1978年の音楽専科に掲載された広告       参照 →Joe Pope氏によるDeccagoneシリーズ

 左写真の上段ではSmilin Earsの「Fleetwood Mac(SE-2-7721)」「Beatles/Twickenham Jams(SE-7702)」下段には「Beatles'66(SE-7704)」が掲載されている。右写真の上段ではDeccagoneのシングル・シリーズの下にやはりSmilin Earsの「Fleetwood Mac 」と「Led Zeppelin/The Destroyer(SE 77-300)」が掲載されている。そして下段の広告には「The Deccagone Sessions」と「Sing This All Toghther」もある。

The Deccagone Sessions(Smilin'Ears)

 ↑写真  上段右側 Deccas1  写真下段 Deccas2/3

 「The Deccagone Sessions」は1977年に発売されたDeccagoneシングル4枚を1枚にまとめた、最初のブートレッグLPだった。さらに、SFF(Strawberry Fields Forever)がDeccagoneシングルの前に発売し、既に好評だった「How Do You Do It / Revolution」(SFF / SOK21)も収録されていた。コピー・ブートレッグではあったもののさほどの音質劣化も無く、一般的なファンからすると5枚のシングル盤をすべて買うより、LPとして安価で手に入れることができたため、「The Deccagone Sessions」は数多いブートレッグの中でもポピュラーな一枚となった。

 Deccas2/3はマトリックスからDeccas1のリイシュー・プレスと思われる、詳細は→Deccas2/3

Pied Pier Records

さて、1978年に大量のタイトルを発売したSmilin' Earsレーベルはどのようなブートレッガーなのだろうか?

写真(→)は1978年にローカル新聞のColumbia Daily Spectator紙に2日に渡って特集された記事である。記事の内容はレコードの通信販売による購入について書かれており、2日に渡って6つの通信販売業者を紹介している。特に11月29日の記事では、なぜか「Pied Pier Records」という業者に紙面を大きく割いている。記事中ではその「Pied Pier Records」が発行しているカタログの内容について詳しく書かれており、その中には「Deccagone Sessions」のタイトルもある。

さらに、11月29日付の記事中には「Pied Pier Records」のカタログには丸ごと1ページ分すべてSmilin' Earsのタイトルが掲載されているというのである。なぜこの業者のもとには、それだけの量のSmilin' Earsのブートレッグが入荷したのか?

 実はその「Pied Pier Records」はレコード制作も行っていた。写真下(↓)は「Hot As Sun」というBeatlesのトリビュート・アルバムである。これはブートレッグではなく正規のレコードで、当然、Beatlesによる曲は収録されていない。バック・カバーには「Pied Pier Records」のロゴがあり、住所もプリントされているが、その住所は通信販売カタログにある住所と同一であった。

 また「Pied Pier Records」は「Charma Records Inc.」の一部門との記載がある。次に下の写真にあるRobert, Rory And Rickyというマイナー・バンドのレコードを見ると、レーベルは「Cream Of The Crop Records」という名のロゴがプリントされている。「Cream Of The Crop Records」は、またもや「Charma Records Inc.」の一部門との記載があり、住所も同一であった。

↑写真 Robert, Rory And Rickyというマイナー・バンドのレコード、及びバックのロゴ「Cream Of The Crop Records」とレーベル (写真→)

  ↑写真 Robert, Rory And Ricky」とTwickenham Jamsのレーベル

 実は「Cream Of The Crop Records」からは1975年に3枚のブートレッグが製作されている。「Bob Dylan With Johnny Cash」「Rolling Stones」「Led Zeppelin」のタイトルがそれぞれ確認されており、コレクターの間では高値で取引される。右上の写真は前述の「Cream Of The Crop Records」によるマイナー・バンドのディスク・レーベルと「Beatles / Twickenham Jams(SE-7702)」のレーベルである。酷似していると思うのは私だけであろうか?

 今回はこれ以上の言及は避けるが、1978年に大量に出回ったSmilin'Ears によるブートレッグの発信元はNorth CarolinaのChapel Hillであったということだろうか?

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