ビートルズ・ブートレッグ55年目の真実

Review 20                             "SP 602" and "30 Nostalgia Hits",   with adding Single Albums

  1975年からWizardo RecordsによるWRMBシリーズがリリースされ続けた。新しいタイトルのリリース・スピードは速く、量産と呼ぶにふさわしかった。1976年には大量のWizardo によるタイトル・ブートレッグが日本にも入荷した。(参照→Reviews 19:Wizardo Records a.k.a. WRMB  (Wizardo Records Movie Buys) 

 中でも「30 Nostalgia Hits」とタイトルされたダブル・アルバムは、80年代以降コレクターから注目されたブートレッグだった。なぜならここに収録されたHollywood Bowlのライブには音飛びが無かったのである。そのソースは1972年の後期に既に発売されていた「Back In 1964 at The Hollywood Bowl (HOL031)」に使用されたものと同じアセテート盤を音源としていたが、再度ディスク・コピーし、音飛びが無い録音をマスターとしていたからである。

 そしてそのダブル・アルバムは J氏の「Fan-Buys Marketing」レーベルによって制作され、その初期においてはJ氏単独でプレスされたことから、「30 Nostalgia Hits」 としての最終形に至るまで、複雑な変遷があった。

↑写真上左:Hot Wacksの創刊号に掲載された「SP602」、Hot Wacks出版の経緯から考えると、Wizardo自身がそう記録に残した可能性がある。(参照→Fanb01)  写真上右:音楽専科1976年4月増刊号に掲載された広告、大量のWizardoブートレッグが入荷していたことがわかる。(参照→WRMB303-1

 SP602 から始まり、30 Nostalgia Hitsの最終形までと、その間リリースされたシングル・アルバムを含めると、かなりのバリエーションが複雑に制作されていたのである。

このページでは、それらを時系列でPhase1からPhase5まで段階分けし、すでにlivedoor-blogにリストしたタイトルとともに解説することにした。今回「Fan-Buys Marketing」レーベルのレイアウトを分類するため下記の3つの計測ポイントを基にした。

① FANのFの上からMARKETINGのMの上まで

② 2本の水平線の間隔

③ 下側水平線と最初の曲目印字位置まで

Phase 1  ではSide1~4まですべて19.0mmである、またSide 3のロゴが小さい。「SP602」ではStar Pics社のフォト・カードから複写されたおよそ2L判サイズの写真が付属されているのみ。「No Title Box」の中には付属品が入っているが、リスト公開しないことにした。(詳細はリンク先参照)

該当タイトル  SP602 (Fanb01)    No Title Box Set(Fanb02 

↑写真上:SP602 (Fanb01) ↓写真下:No Title Box Set(Fanb02 どちらもSide1~4まで、全てのレーベルは同一

 Phase 2  Phase 1同様、①ではSide1~4まですべて19.0mmなのだが、Side 3のみ新たなものとなった(Phase 1のSide 3は「SIDE 3」のロゴが小さく、レーベルの溝より内側に印字されている)該当タイトルのFanb06にはスリック等付いていていなかったため、「30 Nostalgia Hits」というタイトルであったのか否かは定かではない。  該当タイトル  30 Nostalgia Hits (#4, Unknown, Fanb06)  

                      (写真上:Fanb01/02のSide 3 写真下:Fanb06のSide 3 )          

↑写真上:Fanb04 これより「30 Nostalgia Hits」というタイトルがつき、フロント・スリックが付いた  

Phase 3  Side 2はPhase 1と同じものが引き続き使用され、Side 3 はPhase 2と同じものが使われている。この時Side 1と4が①が23.0mmの新たなものに作り変えられた。またSide 1の③は2.0mmと間隔が狭くなった。このPhase 3の時期においてシングル・アルバムの(Fanb16)もプレスされたと思われる。

該当タイトル  30 Nostalgia Hits (#2, Fanb04)  On Stage In Japan The Tour 1966 (#1, Fanb16)

↑写真上:左はFanb16(マルチ・カラー)Phase 3のSide 3/4、右はFanb10/11 Phase 4へ移行する間のSide 1/2、Fanb10ではスリックが鮮明だが、Fanb11では画像が不鮮明。

次のPhase 4へ移行する間に、Phase 1からずっと使用されていたSide 2のレーベルがついに無くなったのか、新しいものとなった。Phase 3で新しくなったSide 1と同じタイプの①が23.0mmで、③が2.0mm程度のものとなった。ここで作られたのがシングル・アルバムのFanb10/11である。

該当タイトル  Get Yer Yeah - Yeah's Out (Live At Hollywood Bowl 1964) (#1/2, Fanb10/11)

またPhase 3の後、Fanb10/11で使用されるSide 1/2用レーベルが作られる前か後、どちらかでSide 3のレーベルが再び新しくなった。この時ついに、Side 3の①も23.0mmのものとなった。そしてこのSide 3とPhase 3で作られたSide 4の組み合わせはマルチ・カラーでプレスされたFanb05において使用された。

該当タイトル 30 Nostalgia Hits (#3 Multi Colored Vinyl, Fanb05) Get Yer Yeah - Yeah's Out (Live At Hollywood Bowl 1964) (#3, Fanb12)  Recorted July 23rd, 1964 at the Hollywood Bowl (#5, Fanb14)

↓写真下:Fanb05  マルチ・カラーでのプレス、Side 1/2は「Wizardo Rekords Collector's Special Recordings」とプリントされたレーベル、Side 3は新たに作られ(3種類目)①が23.0mmとなった。

↑写真上:Fanb12 Fanb14 ちょうどFanb05のSide 1/2のみをシングル・アルバムとして発売したのがFanb 12(左)である、そしてFanb12の後、新しい異なるスリックのカバー(左から2番目)に、やはりFanb05のSide 1/2のみを入れ発売したのが、Fanb14である。なおFanb14の新しいスリックで、通常のブラック盤が入っていることがあるが、その場合Phase4のFanb13と同じものが入っている。


Phase 4   Phase 3で新しくなったSide 4のみがそのまま使われ、Side 1~3まで新たなものとなった。これでSide1と2が新たなものになったのは2種類目、Side 3は4種類目となった。Side 1と2はこれまで②が13.0mmであったが、このPhase 4 では16.0mmとなった。同様にSide 3の②も16.0mmとなり、さらにSide 3の③は7.0mmと大きな間隔となった。これらのレーベルはFanb03及びシングル・アルバムのFanb13とFanb18に使用された。

該当タイトル  30 Nostalgia Hits (#1, Fanb03)  Get Yer Yeah - Yeah's Out (Live At Hollywood Bowl 1964) (#4, Fanb13)  On Stage In Japan The Tour 1966 (#3, Fanb18)

↑写真上:Fanb03 Phase4におけるレーベル・タイプ 最大の特徴はSide 3、②が16.0mmであり③は7.0mmもの間隔がある。

シングル・アルバムではFanb13(←写真左)がプレスされた、②が16.0mmとなった。

この時マルチ・カラーでFanb18もプレスされた(↓写真下)

Phase 5  この最終段階ではPhase 3において新しくなったSide 1~3に加え、Side 4が新しくなった。これでSide4が新たなものになったのは3種類目である。このれまでSide 4の②は13.0mmであったが、16.0mmとなった。つまりこの最終段階で初めて4つすべてのレーベルにおける②が16.0mmとなったことになる。スリックが縮小型となったFanb07に使用された。またこの時シングル・アルバムFanb19がオレンジ系のSplatter Vinylでプレスされた。

該当タイトル  30 Nostalgia Hits (#5, Small Slick, Fanb07)  On Stage In Japan The Tour 1966 (#4, Fanb19)

↑写真上:Fanb07

最後のPhase5におけるレーベル・タイプ

この時オレンジを基調としたマルチ・カラーでFanb19もプレスされた(←写真左)

Side 4の②が16.0mmとなった


 以上、「Fan-Buys Marketing」レーベルでの制作である Phase 1~5 までの工程はこれで終了となり、以下は異なるスタンパー、及びレーベルでの制作となる。

 最終的にFanb01からFanb07までのプレスに使用されたスタンパーは壊れてしまったようだ。Wizardoグループが当時使っていたプレス工場のスタッフが、J氏にスタンパーが壊れたことを告げていたのをWizardoは漠然と覚えていたらしい。そして、これでJ氏はもうこのアルバムをプレスしないだろうと思ったと語っている。

 しかしWizardoのその推測に反し、どうやらJ氏は制作をつづけたようだ。Fanb08とFanb09はオリジナル・スタンパーが無いにもかかわらず、別のスタンパーを使用してプレスした「無茶ぶり」もいいところな制作である。

↑写真上:(Fanb08)縮小スリック、「Fan-Buys Marketing」レーベルはSide 3 のみ。Side 1,2,4はK.O.レーベルが使用されている。Disc 1(Side 1/2)に使用されたスタンパーは「BHB-115」、「Hollywood Bowl 1964」(TMOQ、HOL036)で使用されたスタンパーである。K.O.レーベルの「BHB-115」はかなりレアではあるが、音飛びがある。Side 3はPhase 4以降のものと同じ。

↑写真上:(Fanb09)縮小スリック、すべてのマトリックスが変わり、「Fan-Buys Marketing」レーベルは無くなった。Disc 1(Side 1/2)「BSS-1」というマトリックスで、まったく新たに制作されたスタンパーだが、「SHEA-1/2」系のマトリックスを持つブートレッグからのディスク・コピーしてある。Disc 2では「PE JAPAN」のマトリックスをスクラッチド・アウトしてある。

←写真左:Fanb08におけるDisc 2(Side 3/4)のマトリックス、角度を変え撮影すると「PE JAPAN」の文字が浮き出た。「Pig's Eye」による、タイトル「On Stage In Japan The 1966 Tour」(未リスト、写真右)の時に制作されたマザー・プレートから、新たにスタンパーを制作したことがわかる。

 Fanb09においては、すべてオリジナルとは異なるスタンパーが使用された。Disc 1(Side 1/2)は「BSS-1」というマトリックスで、まったく新たに制作されたスタンパー。 内容はHollywood Bowl のライブ・ブートレッグで「SHEA-1/2」系のマトリックス(参照)を持つブートレッグからのディスク・コピーである。(つまりは、Fanb08に続いて、またしても「音飛びのある」音源であったのである。) Side 3/4は「73181-1/2」というマトリックスで、一見新しいスタンパーのようだが、光の角度を変え、マトリックスを撮影したところ「PE JAPAN」の文字がスクラッチド・アウトされていることがわかる。「PE JAPAN」は1974年にTMOQのD氏がSmokin'PigレーベルやTAKRLへの対抗措置とし作ったレーベル「Pig's Eye」による、タイトル「On Stage In Japan The 1966 Tour」(未リスト)の時に制作されたプレートである。 つまりそのマザー・プレートから新たに制作されたスタンパーであった。

 このFanb09で驚かされてしまうのはDisc2に使用されたレーベルである。「The Ceeds」というバンドの正規盤レーベルなのである。実はこのバンド一時、J氏がマネジメントをやっていた。つまり自分が関わり合いを持ったバンドのレーベルをブートレッグに使用したのである。

 なお、このレーベルは「Complete Christmas Collection 1963-1969(S-203)」(未リスト)でも使用されている。オリジナルはK.O. Records400番台シリーズの400番。オリジナル・マトリックス「400-A/B」に書き加える形で「74001-A/B」となっている。↓写真下:「Complete Christmas Collection 1963-1969(S-203)」未リスト

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